街に戦場あり

1968年6月5日初版(定価650円)天声出版
装幀:横山明 写真:中平卓馬、森山大道


目次:

  • 街に戦場あり
    家出の抒情/放浪の馬への手紙/友情何するものぞ/見世物よ、もう一度/新宿のロレンス/ジャパン・ドリーム/戦士の休息/親指無宿たち/怒りを我らに/エロダクション交響楽/肉体なればこそ/歩兵の思想/ああ歌謡曲/喜劇・百万長者/銃/暁に祈る/盗聴器の慰め/エレベーターの第三の男/カタロウパの贈りもの/さらば、アメリカ/シイジアムビ・ソンケ
  • 勇者の故郷
    第一の歌 荒野の呼び声/第二の歌 遙かなる騎手/第三の歌 ロンググッドバイ
    第四の歌 ローストメロディ/第五の歌 カタロニア/第六の歌 ダンサー
    第七の歌 間奏曲/第八の歌 江梨子/第九の歌 逃亡/第十の歌 クリスマスの犯罪
    第十一の歌 メロス/第十二の歌 パドック/第十三の歌 ミカズキ

(あとがきなし)


家出の抒情

近頃また、上の駅へ行くことが多くなった。私の論文「家出のすすめ」を読んで上京した家出少年少女たちが私に身上相談の電話をかけてくるからである。だが、私は彼らに「すぐ帰りなさい」ということはでいない。風呂敷包みと啄木歌集、それに一本のコーモリ傘を持った彼等は、
十年前のある日の、私自身のポートレートでもあるのである。

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