赤糸で縫いとじられた物語

昭和58年10月、没後5ヶ月後に発行されたシリーズが
新書館から出版された「寺山修司作品集」(写真)です。
第1回配本「赤糸で縫いとじられた物語」は、彼の童話を集めたものです。
没後に発行された復刻本として最初に入手しました。
寺山ワールドを短歌、俳句、映画、演劇を通してしか見ていなかった小生にとって
衝撃的な世界でした。寺山ワールドに取り憑かれる一因となった書籍です。

目次:

  • 壜の中の鳥
  • 消しゴム
  • まぼろしのミレナ
  • 数字のレミ
  • 踊りたいけど踊れない
  • 1センチジャーニー
  • 思い出の注射します
  • かくれんぼの塔
  • イエスタデイ
  • 海のリボン
  • 影の国のアリス
  • 書物の国のアリス
  • 解説・悪意の変貌/童話作家、寺山修司について(高橋康也)

寺山修司が一冊の見事な童話集を遺していることは、
案外知られていないかもしれない。
演劇・映画・短歌・エッセイなど、往くとして可ならざるはなかった彼にとって、
童話とはもう一つの征服されるべき領土にすぎなかったとも言える。
あるいは、演劇や映画という気苦労の多い世界での活動からの、
それは軽やかな息抜きでもあったろう。
しかし、これらの童話に、私は寺山修司の最も純粋な状態における魂を見る。
もっといえば、彼の夢を出発点において支配したであろう原風景と同時に、
その夢の特権的に実現されているかたちが、そこにあるような気がしてならない。

英文学者・高橋康也


 

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