月別アーカイブ: 2013年5月

赤糸で縫いとじられた物語

昭和58年10月、没後5ヶ月後に発行されたシリーズが 新書館から出版された「寺山修司作品集」(写真)です。 第1回配本「赤糸で縫いとじられた物語」は、彼の童話を集めたものです。 没後に発行された復刻本として最初に入手しました。 寺山ワールドを短歌、俳句、映画、演劇を通してしか見ていなかった小生にとって 衝撃的な世界でした。寺山ワールドに取り憑かれる一因となった書籍です。 目次: 壜の中の鳥 消しゴム まぼろしのミレナ 数字のレミ 踊りたいけど踊れない 1センチジャーニー 思い出の注射します かくれんぼの塔 イエスタデイ 海のリボン 影の国のアリス 書物の国のアリス 解説・悪意の変貌/童話作家、寺山修司について(高橋康也) 寺山修司が一冊の見事な童話集を遺していることは、 案外知られていないかもしれない。 演劇・映画・短歌・エッセイなど、往くとして可ならざるはなかった彼にとって、 童話とはもう一つの征服されるべき領土にすぎなかったとも言える。 あるいは、演劇や映画という気苦労の多い世界での活動からの、 それは軽やかな息抜きでもあったろう。 しかし、これらの童話に、私は寺山修司の最も純粋な状態における魂を見る。 もっといえば、彼の夢を出発点において支配したであろう原風景と同時に、 その夢の特権的に実現されているかたちが、そこにあるような気がしてならない。 英文学者・高橋康也  

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第一回寺山修司祭記念「五月の伝言」

寺山修司一周忌を迎えた昭和59年5月。 地元青森で開催されたのが「寺山修司祭」でした。 寺山修司祭実行委員会が発足。 前夜祭 ●5月2日/シンポジウム(弘前市) 「われに五月を」寺山修司祭 ●5月3日/映画「書を捨てよ町に出よう」上映 ●5月4日/映画「田園に死す」上映とシンポジウム ●5月5日/演劇特集(八戸小劇場) ビデオ作品を観る会 ●5月3日/レミング/人力飛行機ソロモン ●5月4日/天井桟敷アンソロジー/寺山修司・谷川俊太郎ビデオレター 実験映画上映と寺山修司を偲ぶ夕べ ●5月3日/実験映画「トマトケチャップ皇帝」上映 ●5月4日/実験映画「マルドロールの歌」上映 ●5月5日/実験映画「迷宮譚」上映 ●5月6日/実験映画「消しゴム」上映 総打ち上げ/田中泯と福士正一の舞踏 そのとき発行されたのが「第1回寺山修司祭/五月の伝言」(写真/右)と 翌々昭和60年の「第2回寺山修司祭/五月の伝言」(写真左)です。 29年前に発行された「第1回五月の伝言」の中には、 谷川俊太郎、原田芳雄、三上寛など多くの方の 思い出が綴られています。その中から 寺山修司の恩師である中野トク先生(三沢第一中学校)の 思い出の文章を紹介します。 「飛翔する/中野トク(青森県児童文学研究会員) 寺山修司が高田馬場駅近くに下宿していた昭和30年6月6日の夜 教え子の大学生二人を伴って訪ねた日の記憶は鮮明である。 二十九年早大に入学した直後の手紙は頭が痛い、どうしたことかとあり、 川口市の病院に入院、続いて立川錦町川野病院に 混合性腎臓炎のため入院、退院して下宿を替え、 高田南町に落ち着いた時である。 庭に面した明る部屋に机が据えられ壁に 「手押し車どこを押せども 母まづし」と、 クレパスで書かれた色紙が飾られてあった。 洋服箪笥なども据えられ、並々ならぬ母上の愛情が 感じられたものである。 彼もこの部屋が気に入っていて、是非お立ち寄り下さいと 手紙に書いてある。 私達三人をいそいそと迎えた彼は軽い調子で … 続きを読む

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1983年5月4日12時5分 寺山修司永眠

幸福が遠すぎたら/寺山修司 さよならだけが 人生ならば また来る春は 何だろう はるかなはるかな 地の果てに 咲いている 野の百合 何だろう さよならだけが 人生ならば めぐり会う日は 何だろう やさしいやさしい 夕焼と ふたりの愛は 何だろう さよならだけが 人生ならば 建てた我が家 なんだろう さみしいさみしい 平原に ともす灯りは 何だろう さよならだけが 人生ならば 人生なんか いりません

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