カテゴリー別アーカイブ: 8.管理人気まぐれ談話

管理人の気まぐれ談話(10) 祝・紫綬褒章 萩尾望都さん

少女漫画の重鎮のひとり、萩尾望都さんが紫綬褒章受賞したとのニュース。少女漫画家としては初受賞だとか。すばらしいことです。でも店主は少女漫画が大の苦手。少女漫画ファンの方には申し訳ないんですが、あのキラキラ光る大きな「目」「瞳」が体質に合わないんですね。メルヘンチックなものが嫌いなわけではないんです。みつはしちかこさんの「小さな恋の物語」なんて大好きでしたから。兎にも角にも、紫綬褒章、おめでとうございます。 萩尾さんがまだ29歳のとき、寺山修司といっしょに編集したのがペーパーギャラリーです。漫画家を目指す若者から作品を募集し、二人が選者となって編集したもの。新人・セミプロの作品集、つまりプロの漫画家さん以外の人たちの作品集を出版するというのは、すごい試みだったと思います。いまでこそ同人誌を作るグループは多いですが、素人の漫画を出版社が本として出すというのは画期的なことだったと思います。新書館のフォーレディ―スシリーズの「あなたのファンタジー」として9号まで刊行されました。写真の2冊はシリーズ1と2。35年前の本です。表紙の絵は萩尾さん、なんと装丁が宇野亜喜良さんという豪華メンバー。寺山修司は漫画界でも、アバンギャルド的な役割を果たしていたんですね。

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管理人の気まぐれ談話(9) ♪手のひらを端末に透かしてみれば

【大垣共立銀行(岐阜県大垣市)は11日、キャッシュカードや通帳を持ち合わせていなくても現金自動預払機(ATM)を利用できる「生体認証ATM」を今秋から導入すると発表。手のひらを装置にかざすだけで個人を識別できる。カードを不要にしたATMは全国で初めて】 クレジットカードの普及でキャッシュレスが広がったと思ったら、今度は携帯電話で支払決済が可能になり、財布レスの時代になりました。今度は、自分の体(手のひら)が印鑑に代わり、キャッシュカードにも代わる。驚く間もなく、Googleがとんでもないメガネ型コンピューターを開発したと発表。もうこうなったら、便利な装置を人間に埋め込んで、何も持たないで生活できるようにしてみたらどうだろうか。 ■「てのひらは、しばしば自身の曇り鏡であり、あてさきのない葉書であり、市街図であり、そして自分の個人史である」黄金時代(寺山修司)■

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管理人の気まぐれ談話(8) 地球滅亡まで、あと何日?

1974年。小学校時代に放映された宇宙戦艦ヤマト。管理人もテレビにクギ付けになった一人です。番組の最後に流れるテロップ。「地球滅亡まで、あと○○○日」。もしも地球が滅亡したらどうなるんだろうって、小さいながら疑問を抱いたのを覚えています。今朝、録画しておいたキムタク主演の実写版「SPACE BATTLESHIP ヤマト」を、オソルオソル観ました。セリフのクサさ、演技のクサさ、セットのクサさが、まるで戦闘シーンの砲弾のごとく、次々と襲いかかってきました。まあ予想していたので最後まで鑑賞。日本初のSFエンターテイメントに挑戦した映画としては、十分楽しめる映画でした。 でも気になったのは「自己犠牲」の強調でした。「地球を守るためには命は惜しまない」という大義名分の上に、主人公、そして彼を取り巻く戦友が、次々と「死」を顧みず敵に突撃する。挙句の果てには、敵のガミラスの戦闘機ですら、ヤマトに体当たり攻撃してくるありさま。旧日本軍の特攻隊とどこが違うのか、悩んでしまいました。阪神タイガースの元監督だった吉田さんがフランスの野球チームの監督に就任したときの話。送りバントのサインを出しても、ほとんどの選手がサインを無視してしまう。選手に問いただすと、なぜ自分が犠牲(アウト)になってまでランナーを送らなければならないのか、理解できないといわれたそうです。国柄によって「自己犠牲」の受け取り方が違うんですね。人類の最後の「希望」を託された宇宙戦艦ヤマト。結局、キムタク一人がヤマトといっしょに敵に体当たりして地球を救います。星の王子さまを書いたサン=テグジュペリの言葉。「人間が最後にかかる病気は、希望という病気だ」。 ■「人はだれでもさよならをいうときには希望をいだく。たとえそれが人類最後の病気だとしても、「こんにちは」には無いはかないのぞみについて、ぼくはときどき考えないわけにはゆかないのである」/ふしあわせという名の猫(寺山修司)■

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管理人の気まぐれ談話(7)97歳日本刀の男、殺人未遂で逮捕

『97歳日本刀男、歩行器で来て女性切り付ける。殺人未遂の疑いで緊急逮捕』(読売新聞)。いやはや、なんともすごい老人力のニュースが飛び込んできました。今回は店主のコメントを控え、寺山修司の『映画技師を射て』から抜粋します。まるで40年前に今回の事件を予想していたかのような文章。ただただ驚きです。 ■老人は大抵さみしそうな顔をしながら復讐の機会をうかがっているというのが私の考えである。彼らは弱々しく慢性病を訴えて、福祉施設の不備を申し出るが、力を与えたらたちまち「自分の死で、死者を包もう」と考えているのは自明のことである。九十七歳の老詩人にだってもちろん、油断は禁物。歴史の年表をさかのぼれば一目瞭然だが、戦争をひき起こしてきたのは、つねに老人たちであったのだ。■

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管理人の気まぐれ談話(6)吉本隆明『言葉の幹と根は沈黙』

16日に飛び込んできた2つのニュース。その一つ。「被災地のがれきを受け入れる」と静岡・島田市、千葉・市川市、鳥取・米子市が方針を発表しました。被災地から遠く離れた自治体でも受け入れを求める声が相次ぐのではと期待されています。 もうひとつは戦後思想界をリードしてきた吉本隆明さんの訃報。彼のことばのひとつに、『言葉の幹と根は沈黙』というのがあります。吉本さんはコトバを二つに分類しました。たとえば、「私はがれきを受け入れるのに賛成です」と自分の思いを口に出して言語化したとします。これを「指示表出」としました。これに対し心の中で「がれきを受け入れてあげたい」と、人に言わないでも発しているコトバを「自己表出」としました。この後者のコトバにしない自己表出、つまり「沈黙」こそがコトバの根幹だといっています。 10年分以上といわれている被災地のがれき。「なんとかしてあげたい」と心の中の叫んでいる人は多いでしょう。今回の島田市、市川市、米子市の3つの自治体の決断をきっかけに、さらに多くの行政が「沈黙」を破って欲しいものです。 ・・・たとえ世界の終わりが明日だとしても、種をまくことができるか? 『愛さないの、愛せないの』寺山修司

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