兵庫県の知事がNHK大河ドラマ「平清盛」について、「画面が汚い」と苦言を呈し、物議をかもしました。 強引な政治や法皇の幽閉など、数々の悪行が目につく清盛ですが、旧態依然の体制に風穴をあけようとした革新的な一面もあったともいわれています。どちらにしても大河ドラマのお陰で、神戸が注目を集めているのはいいことですが・・・。
現在、管理人が拠点としている地元神戸市灘区。そこに烏帽子町という町名があります。全国では灘区と長崎・佐世保市の2箇所だけのようです。灘区烏帽子町は田んぼの形が烏帽子に似ていたのが由来だとか。烏帽子は公家や仕える人たちの日常のかぶり物でしたが、室町時代以降、一般にも広がり、江戸時代まで続きました。灘区にも平安の香りの漂う町名があるんですね。
・・・・・・私は、平清盛が政治家として、「何をなしたか」、ということが多く記述されず、「何をしなかったか」ということだけが議論されてきたところに、『平家物語』のある種のうさんくささを感じるのである。おそらく「悪人平清盛」というのも、百万人の読者の想像力のなかでのみ伝承されてきた一人の悪しき英雄の亡霊であって、実体はちがったものであったものと思われる。しかし、「実体などは、どうでもいい」というところに、歴史上の英雄伝の面白さと、そして悲惨さを感じないわけにはいかないのであった。
・・・・・・「月食機関説」平清盛の七つの大罪から抜粋/寺山修司
阪急グループの書店「ブックファースト」。関西だけでなく東京にも進出しているんですね。近年、管理人のふるさと、吉祥寺にも出店していると聞いて驚いています。知人から寄せられた情報です。阪急電鉄が駅で配布している無料の定期刊行物があります。その中のブックファーストのコーナーで寺山修司の「ポケットに名言を」(角川文庫/380円)を紹介していました。各店舗に特設コーナーを設けているようです。現在、入手できる彼の書籍の中で親しみやすい1冊です。彼が言葉の錬金術師と称される理由がわかると思います。管理人もおすすめです。